まいにちらぼ

〜私の日常〜

「何者」感想3選!(思いっきりネタバレ)

こんにちは、はなです。

今日も前回に引き続き本の感想です。就活生の頃、映画を見たことはあったのですが、自分でもびっくりするほど内容を覚えていなかったので、初見の気持ちで原作を読みました。(読みながら思い出すことも全然なかった。。。恐るべし私の記憶力のなさ!)

とっても考えさせられる内容だったので、その後映画も鑑賞。映画は本の内容を少し単純化したもののように感じました。

読んだきっかけ

作者の朝井リョウさんの文章は、先日読んだ「傲慢と善良」の解説文で初めて出会いました。その時に読みやすい文章だなと印象に残ったのが、この本を手に取ったきっかけです。

傲慢と善良の感想(思いっきりネタバレ) - まいにちらぼ

読んだ直後に感じたこと

「人間不信になりそう」これが読んだ直後の感想です笑。多くの人は、いろいろな人との触れ合いの中で、本音と建前や発言の裏にある真理みたいなものを感じ取れるようになるのだと思います。ただ私の場合はそういった事象を、「社会一般的にはそうだろうが、私の周りとは関係ない事柄」というふうに分けて考えてしまっていたような気がします。私が鈍感で楽天的なのと、人間関係に恵まれていること、あとは交友関係があまり広くないことも理由な気がします。なので、読了感としては、「あの人にあの時褒めてもらった言葉、100%の意味で受け取っていたけど、本当は話6割くらいで聞いたほうがよかったのでは??」みたいな感じで、かなり苦しい気持ちになりました笑

以下、ネタバレ感想です!

1. 誰よりも観察者なのは、、、

この本を最後まで読むと、誰よりもイタくて卑怯なのは卓人だったのかあと誰しも思うと思います。イタイとされる登場人物を振り返ってみると、、、Twitterに自分の思いを綴ったり、頑張っているアピールをするギンジと理香。2人は言葉の通り、有言実行。全力で生きています。

次に隆良。彼は行動は伴わないが、批判を恐れず(認めず?)自分の考えを発信しています。一方の卓人。彼は友人との会話でも自分の意見はほとんど話しません。唯一言いたいことを言葉にするのが、Twitterの裏アカ。卓人は周りの人々を斜め上から判断するばかりの観察者。

でも実は、そんな卓人を含めた登場人物たちを観察しているのは、わたしたち読者。この事実に気づくと、身につまされるような思いでした。読書をするだけではただの観察者、批評家。読んで学んで行動する、ここまでやらないと卓人になってしまう!と思うことができました。

2. 言ってもらえるうちが華

小説の中では、隆良は瑞月に、卓人はサワ先輩や理香に、ガツンときつい言葉を言われて、でもそのおかげで新たな一歩を踏み出し始めました。特に映画での隆良の清々しい変化にはびっくりしました!でも26の私には、こういった厳しい言葉をかけてくれる人がいるだろうかと問われると。。。新卒で入った部署から他部署へ異動したせいもあるのか、業務上のアドバイスはいただくことはあっても、人の根幹に関わる部分をどうこう言われることは、もうない気がします。

プライベートでも、多分私のいろんな性格も織り込み済みで仲良くしてくれている子ばかりだと思うので、今更何かを指摘されることもあまりないですよね。プラスに捉えればそれは私の個性でもあるわけで、私が逆の立場でも注意したいとも、直してほしいとも思わないです。自分をまだまだ成長させたいと思うなら、自分で気づくか、瑞月の言うようにアウトプットしたものを、違う景色を見ている相手の目の前に持っていく、の2つしかない気がします。意見をしてもらえるように工夫をするということですね。

3. 人を判断しない

この本を読みながら、「人を判断するのは非常に危険」ということを感じました。人のちょっとした行動や発言を見て、すぐにこの人はこういうタイプの人だ、私には合わない人だ、のようにラベリングするのは危険ということです。人はもっと多面性を持っているし、そんな単純な性格でもないし、変化し続ける存在です。これは私のやってしまいがちな悪い癖なので、直したいです。一方で、その人の特定の行動について、あーだこーだいうのはいいと思っています。そこからその人の考えていることを慮ったり、反面教師にしたり。この人なんだか素敵だなと思ったら、その人丸ごと好き!と盲目的になる前に、その人のどんな行動が素敵に映ったのか、細分化して考える癖をつけたいです。

人が多面性を持っていることに関して例を挙げると、光太郎は一見ただのお調子者の能天気なやつに見えますが、実は卓人の裏アカの存在を知っていたのではないかな?と思うのです(特に映画を見るとそう思います)。他にも場面に応じて、自分の演じるべき役割を客観的に理解し、立ち振る舞っている、そんなシーンが多々出てきます。そりゃあ就活もうまくいきますよね!

まとめ

冒頭に「この本を読んで人間不信になりかけた」と書きましたが、こうして落ち着いて頭を整理すると違った感想を持つことができました。上に書いたように人は変化する存在だし、それ以外の面もたくさん持っている。だから、その人のたった一面的な言動の1つ1つを気にしすぎる必要がそもそもない気がしてきました。それよりも、もっと自分に目を向けて、自分の好きなことややると決めたことに全力で打ち込むことの方が重要だと思いました。

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おまけに朝井リョウのエッセイも!こんなに笑ったエッセイは初めてでした!!

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